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Klagegrund

 作品の感想を書くにあたって、十分に考慮しなければいけないのが「ネタバレ」です。「ErogameScape-エロゲー批評空間-」においても、一言感想に対してはネタバレ投票の機能によって防止する方法がありますし、長文感想については入力者によってあらかじめネタバレがあることを明らかすることで防止する方法があります。もちろん、これらによって必ずネタバレを防げるわけではなく、ネタバレを防ぐのに最も有効なのは閲覧者の利用意識(究極的には事前に何も閲覧しなければネタバレも起こりえません)にあることは言うまでもないのですが、あらかじめシステムにネタバレ防止策を織り込んでおく必要があるくらいには、ネタバレの防止は意識されているということでもあります。

 ところで、ネタバレと一言にいっても、一体どこまでの内容を明らかにするとネタバレに該当するのかについては、明らかではありません。その理由は、作品の内容や性質、公式HPや雑誌等であらかじめ公開されている情報の中身や量、各プレイヤーのネタバレに対する考え方や警戒度の相違、といった要素が連関して、ネタバレの境界線が作品毎・プレイヤー毎に定められるからです。つまり、ネタバレとは十人十色であり一人十作品十色、極めて流動的・浮動的なものであるわけです。
 例えば、「面白かった」という何でもなさそうな一言でもネタバレになる可能性はあります。ある作品が面白いのかつまらないのかは作品の本質あるいは中核部分ともいえるわけで、「面白かった」か否かこそが最も重大なネタバレだ、と主張する人がいてもおかしくないと思います。ただ、おかしくないと思ってはいるのですが、そう主張している方を私は知りませんし、私も「面白かった」の一言をネタバレだとは主張しません。私の場合、「面白かった」ではネタバレというには具体性に欠けると判断しているからだと思います。要するに、面白いか否かという評価は、「ただそれだけ」では100%主観に依存しているものなので、自分には何ら影響がないと考えているということです。

 では、ネタバレが十人十色であり一人十作品十色だとすると、感想を書く側(以下、レビュアー)はネタバレに対してどう臨めば良いのでしょうか。ネタバレを防止することだけを考えるならば、「何も書かない」が満点回答でしょう。何も書かなければ、ネタバレする可能性はありません。しかし、ネタバレ防止に対しては満点回答だとしても、それは「何も書かない」だけでなく「何も書けない」ことをも意味するものであって、レビュアーの態度としては零点だと思います。

 ですので、レビュアーとしてはどこかでネタバレの境界線を引かざるを得ません。その際、「当該作品の一般的平均的なネタバレの境界線」を追究する必要はありませんが、「一般的平均的」というものをある程度意識した上で、自分なりに、かつ、慎重に判断すれば良いのではないでしょうか。重要なのは、最大限の配慮をもってレビューを書いたということです。そうであれば、自然と致命的なネタバレは避けられるものだと思います。

 ネタバレの判断にあたっての手がかりは、(大抵の方が思い当たるでしょうが、やはり)公式HPで公開されている情報でしょう。当該作品の製作者が万能の神ではありませんが(稀に、プレイ後に改めて閲覧すると「そこまで公開して良かったのかなぁ」と思うこともあります)、製作者として持ちうる作品の情報を総合衡量して公開しているであろうことは、一般的に期待しても良いと思いますし、公式HPで公開されている情報であればネタバレには該当しないという暗黙のコンセンサスがあるように私には見受けられます。おそらく、当該作品について知りたければまずそこを当たるであろうとされている公式HPで公開されている情報を、それ以外の場所でバラされたとしても、当該作品を意識している人にとって致命的な事態になることがほとんどなく、一方でネタバレを非常に警戒して公式HPすら閲覧しないような人は、レビューなどなおさら閲覧しないだろうから構わない、ということでしょう。私が判断する際にも、公式HPで公開されている情報を基礎に考えますね。

 ただ、私はあまり寛容な人間ではないので、当該作品の製作者に公式HP上でバラされてしまうのであれば諦めもしますが、「ErogameScape-エロゲー批評空間-」でネタバレに遭遇するような事態は受け入れ難いですね。それは、ネタバレをしてしまったレビュアーの方が悪いわけではなく(もちろん致命的なネタバレを一言感想で平然と行っているのであれば非難も容赦しませんが)、単純に私のプレイ前のスタンスです。可能な限り予断を排除したいのです。もちろん、詳しく調べれば、自分とは合わないであろう作品を選択せずに済む可能性が高まることは承知していますが、予断なくまっさらな状態で作品をプレイすることを優先しています。購入を検討する際の判断材料として、公式HPの閲覧は個人的に避けられないのと、作品の象徴たるタイトルの認識だけは事実上回避不可能ですので、この2点はやむなく許容しています。

 従って、レビュアーとしてネタバレに対してどう臨むのか、という前述の内容は、作品の購入を検討する際の判断材料として「ErogameScape-エロゲー批評空間-」のような場所に入力されている情報をも閲覧している方がいることを前提にしています。とはいえ、私のようにネタバレに対して極度の防衛体制をとろうとするスタンスの人の方が少数だろうと思いますが、ErogameScape-エロゲー批評空間-」のような場所に入力されている情報を作品のプレイ前に閲覧する方が1人でもいる以上、そのような前提を踏まえるまでもなく、ネタバレに対する配慮が求められることは変わらないでしょう。
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