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Klagegrund

 前エントリーにおいて、私は自分のレビューを書く前に他の方が書いたレビューに目を通す旨を述べました。そして、最後に、それ以外に「私がレビューを書く前にしている最も重要な行為がある」ことにも触れましたので、そこから続けようと思います。

 「私がレビューを書く前にしている最も重要な行為」とは、過去に自分が書いたレビューを見る、ということです。もちろん、「自分は良いレビュー書いてるなぁ」とニヤニヤするために見るわけではありません。「よくもまぁそこまで言えたもんだ」と呆れたり、「本当にそれは自分の中でも正しいと確信できたことなのか」と改めて懐疑的になることの方が多いくらいですので、むしろずっとは向き合っていたくない類のものです。
 ですが、そういった思いはとりあえず抑えて、ある程度の数のレビューをピックアップして丹念に読み返します。違う作品のレビューですから、これから書こうとする作品の内容と関連することはありませんが、これから書こうとする作品のレビューには関連します。そして、そこには私にとって2つの意味があります。

 1つ目は、自分が過去にどのような形式でもってレビューを書いたのかを確認することです。どのような論調だったか、どのような点に触れたか、どのような評価をしたのか、文章の前後をきちんと接続できていたか、できていなかったのであればどうしてできなかったのか、等について改めてチェックして、これから書こうとしているレビューをより良くするためのフィードバックを図るためです。これは、レビューの内容の是非を問うのではなく、レビューの内容がきちんと伝わるような体裁になっているかどうかを問うものです。

 2つ目は、自分はその時どのようなことを考え、何故そのような内容を書いたのか、を確認することです。私は物覚えが悪く、かつて自分が何を考えていたのかについて、記憶が定かでないことが往々にしてあります。しかし、何をするにしてもそうですが、過去からの積み上げというのは大事で、自分が一度でもしたことのあること、あるいは、考えたことのあることについて、再度同じことをするのは、反復が重要であることは言うまでもないとしても、それだけではさらなる洗練には繋がらないように思います。
 ならばどうするのかというと、考えたことについてであれば、メモをしておけば良いということになり、それが具体的なものと結びついていれば、より喚起しやすくなります。この場での筋に沿って言えば、要するに自分の過去にプレイした作品という具体的なものと結びつけたレビューという名のメモをとっておけば良い、ということになります。

 そして、この2つ目こそが、「作品を評価すること以外のレビューを書くことの私なりの意味」です。作品の評価をレビューという形でしているものの、一方でそのレビューは私にとって考えたことの備忘録にもなっているのです。備忘録としての機能は「その時」に書いておかなければ果たせませんので、その限りで前エントリーで述べた「とりあえず書いておきたいという事情」に当てはまります。

 このような意図を持ってレビューを書き始めたのは、「ErogameScape-エロゲー批評空間-」においてID取得後相当程度経過してからです。ですので、ID取得当初の頃のレビューは何も考えずに書いていたのがバレバレな内容で、未だに直視するのがつらく、苦々しい出来です。リライトするには再プレイが不可欠だと考えていますので、その機会はほぼないだろうと思いますし、一方で、消すことならば簡単ですけれども、そういう至らぬ点も自分の構成要素であると考えると、削除は自己表現の形として恣意的に過ぎるかなとも思い、結局そのままにしているというのが現状ですね。
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