FC2ブログ

Klagegrund

 エロゲー史に詳しいわけではありませんが、『ToHeart』や『ONE ~輝く季節へ~』といった作品の登場以降、学園(学校の意を含む、以下同)を主な舞台にした物語いわゆる「学園モノ」がエロゲーの主流となり、今に至っては最大派閥となったといっても過言ではないでしょう。

 学園モノが流行った理由については、察するに、一つは、およそ100%に近いプレイヤーが学園生活を送ったことがあり、どういう舞台なのか、どういうことが起こり得るのか等について、経験則上容易に理解可能であり、またさればこそ追体験も容易となるという点です。
 もう一つは、学園の性質上、様々な人物を集めやすい点です。エロゲーの構成上、そのほとんどがマルチヒロイン・マルチエンディング方式のアドベンチャーゲーム(以下、AVG)ですので、様々なタイプのヒロインを用意する必要がありますが、学園という舞台はそのニーズにピタリと当てはまるということです。さらに、定期的なイベント等を容易に準備できる点も学園モノのメリットに挙げられます。

 確かに、各プレイヤーはそれぞれに学園生活を経験しています。しかし、一言に「学園」といっても、まさに千差万別。同じ学園ということはなくはないでしょうが、それでもその数は多くないでしょう。つまり、各プレイヤーの経験した学園生活もまた千差万別なわけです。その上で、前述のような学園モノの多さを考えると、各プレイヤーがどのような学園生活を送ったか、あるいは、どのような学園であったかというのは、エロゲーをプレイし、ひいては感想・評価を述べる場合、重要なファクターの一つではないでしょうか。
 そこで、あくまで一例に過ぎませんが、私自身の経験した学園生活及び学園の成り立ち等を通じて、エロゲーに頻出の学園的要素について、表層的な部分だけですが、いくつか簡単に述べてみようと思います。なお、私の経験した学園生活及び学園の成り立ち等とは、大抵のエロゲーが想定している学園生活及び学園を指しています。妙な表現になってしまっているのは大人の事情によるものです。また、私の通っていた学園は共学でした。

 まず、学園モノに必須のものといえば、制服でしょう。エロゲーにおいても様々な制服があります。魅せるためのポイントとして、あるいは、容易に差異を設けられる点として、各メーカーもかなり重視している点かもしれません。
 ところが、私の通っていた学園には制服がありませんでした。服装については自由でしたね。何でもOKでした。授業中くらいは私服着用、ジャージ等禁止ということもありませんでした。野球部の生徒はユニフォームを着たまま授業を受けていましたし、私も何はなくとも楽な格好のジャージを着てることが多かったです。律儀に私服を着ている人の方が少なかったくらいです。望んで進学した学園でしたが、それとはまったく別に制服を羨ましがった記憶がありますね。
 ですので、今なお制服については良いものだというぼんやりとした思いがありますし、その意味で学園モノに対する印象も悪くありません。逆に、自分の身近にはなかったので、良し悪しの基準を持ってないということでしょうか、制服のデザイン自体にはこだわりがありませんね。制服であれば何でも良い、という感じです。

 そんな学園でしたので、学風もまた自由でした。茶髪はもちろんOKで、ピンク色や緑色の髪の人もいたくらいです。学園の出入りも自由で、昼休みに園外へ食事に行くこともできました。
 当然、風紀委員会なんて存在しませんでした。エロゲーにおける風紀委員会というのは、かなり大手を振っているように見受けられますが、その存在すら認知したことのない私には、まさに別世界の出来事のようで、とても新鮮に感じますね。
 生徒会についても私の通っていた学園ではかなり形式的な存在で、権力もなければ、格別のリスペクトもありませんでした。むしろ、どうにかして生徒会役員の成り手を探さないといけないような状況でした。エロゲーに登場する生徒会は強大な権力を持っていることが多いですが、それは行き過ぎだとしても、生徒会というのはそれなりに一目置かれる存在なのでしょうか。その辺はどうも実感がありませんね。
 その他では、学園のプリンセス的存在もいませんでしたし、ミスコンもありませんでした。

 簡単に概観しても、私の通っていた学園はエロゲーに登場する定型的な学園とはだいぶ異なっていたことがわかります。しかし、だからといって、エロゲーの世界がそもそもフィクションだということを差し引いても、「非現実的過ぎる」という否定的な評価に繋がるわけではありません。私は、自分がこれまで経験したものと異なるのであれば、それはそれとして「こういうものもあるのか」と丸ごと楽しめてしまえるタイプですので、全然気になりません。この点は、主人公についても同様で、私自身と異なる考え方の持ち主であっても、それはそれで楽しめます。感情移入の有無の問題とも関わるかもしれません。感情移入の有無等については、別の機会に触れたいと思います。
スポンサーサイト