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Klagegrund

 レビュー対象である作品について他の方が書いたレビューを読んでから、自分のレビューを書くという人はいるでしょう(以下、前者)。逆に、一切他のレビューに目を通さず、レビューを書くという人もいるでしょう(以下、後者)。

 前者の主なメリットは、他のレビューに接することで、自分の思ったことや考えたこととの違いや距離を事前に知ることで、自分がこれから書こうとするレビューへの何らかのフィードバックを図れる点にあります。意識的に違いを出すこと、あるいは、別の見方を提示することがしやすくなります。せっかくレビューを書こうというのであれば、程度はあれども、独自性を出そうと考えるのは自然だと思います。

 一方、デメリットも考えられます。主として、独自性を出そうと他の方のレビューを読んだ結果、似たようなレビューになってしまうという点です。丸写しなどは論外ですが、他の方のレビューに影響を受けてしまった場合(特に否定的な意味はありません)、あるいは、自分の思っていたことや考えていたことに近似しているような場合は、似たようなレビューになってしまうこともやむを得ないし、また似たようなレビューが必ずしもいけないわけでもないとも言えるので、結局のところ程度問題ではあります。ただ、独自性への指向は絶たれてしまうことになり、その意味ではデメリットにあたると言えるでしょう。

 そして、後者の主なメリット・デメリットは、前者と表裏一体の関係であることから、前者のメリットは後者ではなしえないという意味でデメリットに、前者のデメリットは後者では防止できるという意味でメリットになります。

 さて、私はというと、必ずではないのですが、大抵の場合、自分のレビューを書く前に他の方のレビューを「ErogameScape-エロゲー批評空間-」で一応拝見します。その理由は、自分の見解を書くにしても、他の方の見解も踏まえた上で書いたレビューにも先んじた独自性とは別の独自性があるのだからデメリットにさほど遠慮する必要はないし、何より、他の方の見解に無配慮なレビューにすべきでない、と思っているからです。ここでいう先んじた独自性とは、自分のレビューより先行してなされたレビューの独自性一切を指します。殊、まだ誰もレビューしていない作品についてなされたレビューの独自性については、進取性と言っても良いかもしれません。後発のレビューとして先発されたレビューへの敬意は欠かすべからず、と考えています。

 ただ、全文きっちり拝読するというよりは、ざっと目を通す程度に留めてはいます。これは単純に私の都合で、色々と他の方のレビューを読んでしまうことで、全体として満足してしまい、レビューを書こうとする意欲を削いでしまうことがあるからです。削がれる程度の意欲だった、と言ってしまえばそれまでですが、作品を評価すること以外にもレビューを書くことの意味を私なりに持っていますので、とりあえず書いておきたいという事情も実はあります。「作品を評価すること以外のレビューを書くことの私なりの意味」については、今回述べた内容、すなわち他の方のレビューを拝見することの他に、「私がレビューを書く前にしている最も重要な行為があって、それは何か」ということと合わせて次エントリーで触れたいと思います。

 なお、次エントリーにまわすのは、1エントリーをそんなに長くしたくないという私の精神的な都合と、長々と書くのはなんだか疲れるという私の体力的な都合によるものです。
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